BHCC日記

マネジャー応援通信 No4

<BHCCマネジャー応援通信(事務局)>です。

今回は新しいテーマ『職場の問題解決は、あなたが主役』に入りましょう。

ビジネス現場で、系統的に物事を考え、それを筋立てて相手に伝える論理的思考は、
2000年ぐらいから日本でも大きなブームになりました。

MBAやフレームワーク思考などともあいまって、
今のビジネスマンにとっては「必修科目」と言えるでしょう。

ところが、「必修科目」たる論理的思考を学んだ人が、
その後ビジネスで大きな成果を上げているかというと、
その答えはバラバラだと思います。

例えば、当社の問題解決研修の受講者から、こんな声を聞いたことがあります。
「先生の言っていた論理的思考はすごく素敵な方法だと思いますが、 実際の問題解決の場面では、物事は複雑に絡み合って、多くの場合、 思うとおりに簡単に解決できないですよ。。。」

このように、
・論理的思考を学んだけれど、結局使えない
・ロジカルに話しているつもりなのに、通じない
・論理的思考を学んだ後にやる気はあるのに、なぜか仕事がうまくいかない

こんな悩みを持っている方は少なくないでしょう。

論理的思考は便利な方法ですが、万能ではありません。
そこで今回は、論理的思考に対するよくある誤解を3つ取り上げます。

1、論理的思考力とプレゼン能力・交渉力は違います。

自己啓発系の書籍やセミナーでは、「論理的なプレゼンをしましょう」、 「商談では論理的思考が役立ちます」と繰り返されます。 これらの主張は、おそらく事実です。

論理的思考力のある人は、プレゼンも交渉もそつなくこなせるでしょう。
しかし、論理的思考力はプレゼン能力・交渉力ではありません。
なぜなら、
ロジカルでもプレゼン、交渉が下手な人は存在しますし、
プレゼン、交渉が下手だからといって非論理的な人だとも限りません。

しかし、職場では、論理的思考力を
プレゼン能力・交渉力と混用している人は多いです。

例えば、
同僚の下手なプレゼンを見たときに「あいつは論理的思考が弱い」と笑い、 商談に失敗した部下に「論理的思考を磨け」と叱咤します。

これは、論理的思考力とコミュニケーション能力を混同した典型的な例です。

プレゼンが下手な人には「あなたはプレゼンが下手だ」と指摘すべきです。
なぜなら、プレゼンにはプレゼンの技術があります。
交渉には交渉の技術があります。
それらを無視して論理的思考を磨こうとするのは、遠回りになります。

2、「論理的である」とは「遠慮がない」という意味ではありません。

会議などの場面で、
感情面に配慮せずに議論することを「理屈ばかりを優先している」 と不満を述べる人がいます。
「気を遣わないこと」が「理屈優先の論理的な人だ」
と勘違いをしている人は意外と多いです。

多くの人は、「相手がどう思うかよりも、論理的な正さにこだわってしまう」、 「自分の正しさを証明したい」、
「何ごとも白黒をはっきりつけたがる」傾向があります。
それは、人が会話で「議論に勝つこと」を目的にしてしまうからです。

ビジネスは時々刻々変化しています。
昨日正しかったことが、今日も正しいとは限りません。
社内の会議で、「自分の論理で勝つこと」だけに注力してしまうと、 他の人からの情報を吸い上げることができず、
ビジネスチャンスを逃すことになりかねません。

3、論理的思考を身につけても、仕事が早くなるとは限りません。

論理性を重視する人間を集めた議論は話がなかなか前に進まず、
仕事が遅くなることがあります。

論理性を重視する人間は、言葉の定義にこだわったり、
定性的で主観的な評価を、定量的で一般的な評価に変えなければ気がすみません。

例えば、
「○○という施策を打てばいい状況になりますね」と言われたら、 「いい状況って、どういう状況ですか?」と考えてしまいます。 「売上げが伸びるのか、利益が伸びるのか、それとも時間的なメリットがあるのか。 さらに、伸びるなら、どれぐらい伸びれるのか?」・・・

このように、定義と定量的数字を詰めないと話が進みません。
過剰に論理的な厳密さを求めれば、議論は遅々として進まなくなります。

作業は正確になるかもしれないが、どこまでも遅くなります。
そして時間という最も重要なリソースを失ってしまいます。

これら3つの誤解は、上司と部下や中国人と日本人の間でよく起きます。
変化の激しい市場を背景としながら利益を生むためには、
スピードを重視すべきという中国人。
説明責任を全うし、因果を明確にすることで予測を重視し、
検証基準を事前に確定しておきたい日本人との考え方の差があるとも言えるでしょう。

職場の問題解決であなたが主役になるためには、
このような誤解を埋めながら仕事をすすめる努力が必要になります。

★次回予告★

組織の中で実際に何かを変えようとすると、
ロジカルな面だけでは足りないことばかりです。

次回は、その足りない何かについて、
人の非合理な面に焦点を当てた一冊の本を紹介します。

お楽しみに!

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★筆者プロフィール★
邵欣欣  BHCC コンサルタント
天津外国語大学卒、神戸大学大学院人間発達環境学研究科修士。
専攻分野は「大人の学び」。
中国の油圧ショベルのトップメーカー福田雷沃重工股份有限公司の 日本法人ロボルジャパン株式会社に入社。
その後北京に戻り、BHCCに入社。
現在は、大学院時代の専門知識を活かし、BHCCのコンサルタントとして活躍中。

マネジャー応援通信 No2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□ マネジャー応援通信
□■ さあ!自分からやってみよう!  テーマ1

『部下の心を動かし、モチベーションを向上させる・その中』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━【2017/9/7 第2号】

 

いつもお世話になっております。<BHCCマネジャー応援通信(事務局)>です。

さて、今回で皆さんへ紹介するのは、

『人を動かせるマネジャーになれ!』ブライアン・トレーシー

という本です。

著者は、ベストセラー『かえるを食べてしまえ!』や『フォーカル・ポイント』で知られる、国際的に著名なコンサルタントのブライアン・トレーシーです。

 

この本を紹介する前に、少し余談を。

今年の24時間テレビのマラソン大会が8月26-27日に開催されました。

毎回この番組を見る時に、ランナーの頑張る姿に感動しましたが、一方で、いつもそばにいる伴走者にもお疲れ様でしたと申し上げたいです。伴走者というのは、ランナーのそばについて走り、走路や給水所の位置を知らせ、時には心身的に限界に近いランナーへ応援の声を掛けたり、マッサージをしてあげたり、あらゆる場面でランナーをサポートし、ランナーの成功を陰で見守っている欠かせない大事な存在なのです。

よく考えたら、このようなランナーと伴走者の関係性は、部下と上司(マネジャー)の関係性と似ていないでしょうか?

ランナーと同じく、ゴールまではあくまでも部下自分自身の力で到達するしかできません。伴走者としての上司のできることは、部下が自発的に最大限に努力していくための仕事の環境を整えてあげるだけなのです。

では、この環境はどのように作るのでしょうか?

今回の一冊を参考にしながら、皆さんが自分なりの答えを見つけられるよう願っています。

この本は、若き日のブライアン・トレーシーの傲慢な態度がもたらした失敗談からはじまります。

このとき、ブライアン・トレーシーはある教訓を得ました。それは、「人の能力を最大限に引き出すには、学歴や知識、経験よりも、感情的な影響を与える接し方や言動のほうが重要だ」ということです。

 

本書の中には、「感情的な影響を与える接し方や言動」をめぐって、たくさんの方法を紹介しています。

特に印象深かったのは、部下の最大限の能力を出す方法について、著者は自分自身の子供時代と子育て時代の経験談を使い、分かりやすく説明しているところです。

例えば、子育てと部下育成は似ているといわれます。著者は自身の子育てにおいて「モンテッソーリ教育」の手法を取り入れています。Google創業者やFacebookのザッカーバーグCEOも受けてきたという、モンテッソーリ教育について、本書ではこのように説明されています。

「モンテッソーリ教育では、合格もなければ不合格もない。教室に敗者は存在しない。すべての子供が勝つことができる。1日のうちに何度も勝利し、次の日も、また次の日も勝つことができる。そうやって3年間、ずっと勝利だけを経験する。(中略)

成長期という大切な時期に、自分は有能で、能力があり、真に優れた人物であると、繰り返し言い聞かされ、実際に成功を体験する。それがモンテッソーリ教育のシステムだ。」

子どもと同じ、著者は部下にも勝者の感覚を覚えさせるのが、彼らの最大限の能力を出すことに大切なことだと述べています。

では、どうすれば、部下が勝者の感覚を覚えるのでしょうか?

本書では、「部下を勝者にする5つのステップ」を紹介しています。

(具体的な内容は本書を参照してください)

① 明確な目標を決める

② 具体的な測定基準を作る

③ 成功体験を積ませる

④ 達成したことを認める

⑤ 報酬を与える

 

さらに、もう一つ印象深かったのは、「解雇」に関する節です。

筆者の下記の記述を見て、少し違和感を感じていませんか?

 

「多くの場合、採用はまず解雇からはじまる。優秀な人材を集めた最高のチームをつくりたいのなら、まず間違った人にバスを降りてもらわなければならない。」

 

この考えは、正しいかもしれません。しかし、アメリカと違い日本ではそこまでドライに実行するのは難しいと思う方がいるかもしれません。一方で、オープンな雇用環境を持っている中国に進出した日本企業ならば、それを実践することが可能になります。

「解雇」に関する考え方をまず受け入れ、中国現地の人材現状を見直すことで、最適な人材戦略が生み出されるかもしれません

この本は、よくある“リーダーあるべき論”ではなく、結構人間の本質に迫る部分が多いです。さらに、単に啓発的な精神論で終わるのではなく、

結果を出すマネジャーになるためにおさえておくべき考え方と実践方法が詳しく説明されているので、すぐに役立てることができます。

 

以上、本の紹介でした。

次回は、「動機付け・モチベーション」に関するさまざまな理論を紹介します。

根本から自分と他人を理解することで、あなたを悩ませる様々な悩みが自然的に融けていくかもしれません。

 

(BHCC コンサルタント 邵欣欣)

 

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★筆者プロフィール★

邵欣欣  BHCC コンサルタント

天津外国語大学卒、神戸大学大学院人間発達環境学研究科修士。専攻分野は「大人の学び」。中国の油圧ショベルのトップメーカー福田雷沃重工股份有限公司の日本法人ロボルジャパン株式会社に入社。その後北京に戻り、BHCCに入社。現在は、大学院時代の専門知識を活かし、BHCCのコンサルタントとして活躍中。

 

マネジャー応援通信 No1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□ マネジャー応援通信
□■ さあ!自分からやってみよう!   テーマ1

『部下の心を動かし、モチベーションを向上させる・その上』

━━━━━━━━━━━━━━━━【2017/8/17 第1号】

いつもお世話になっております。
<BHCCマネジャー応援通信(事務局)>です。

ブライトンヒューマンキャピタルコンサルティング(略称BHCC)は、
中国人材マネジメントのプロフェッショナルとして
中国現地法人の人事制度や教育研修の支援をしています。

この度、BHCCは組織の中核である日本人や中国人のマネジャーが、
さらに活躍するためは、どうしたらよいか?
そのヒントを提供する
「マネジャーのための応援通信」をスタートすることになりました!!

・部下の心を動かす
・問題を解決する
・公正に評価する
・次世代リーダーを育てる

普段皆さんの頭を悩ませている4つのテーマをピックアップし、
月に2回のペースで発信します。

初回なので、お話が少し長くになりました。
それでは、本題!

初回のテーマは
さあ!自分からやってみよう!
『部下の心を動かし、モチベーションを向上させる・その上』です。

企業研修の仕事をしていると、こんな上司の声を聞くことがあります。

「私は部下に大いに期待しています。
部下には企画力やモチベーションを向上させる研修にも行かせました。
しかし、
お金をかけて勉強させても、なかなか行動してくれません。
公平に研修のチャンスを与えても、なかなか社会人としての主体性が育ちません。
ちゃんとした部下はどこにいるのでしょうか。やはり、私は運の悪い上司なのでしょうか・・・」
あなたも、部下に対する不満をお持ちでしょうか?

 

このようなケースでは、人事評価制度を変えて、アメとムチをうまく使い、
部下の危機感を煽り、能力を引き出すことができるかもしれませんし、
それでもだめなら、人を入れ替えるという手もあります。

 

即効性のある解決策だけを考えるならば、そのように考えるかもしれません。
しかし、これらの解決策の実施効果は継続するでしょうか?
このやり方で、部下の持っている力を最大限に引き出したと言えるでしょうか?

「なぜ部下は行動しないのか」、「主体性を発揮できないのか」
部下の立場からその理由を考えたことはありますでしょうか?

ちなみに、あなたの部下に以下のような症状は見られませんか?
(括弧の中は、部下の心の声)

■部下はあなたの強い説得に対して、「はい」しか言えない。
(上司はどうせ私を信頼していないし、違う意見を言っても、また押し付けられるから・・・)
■困っても、相談に来ない。結局報告してくるころには、どうしょうもないことになっている。
(上司はいつも忙しくて、いい加減な対応なので、言っても時間の無駄、意味がない・・・)
■部下はミスを起こしたら、いつも責任から逃げようを優先し、積極的に解決策を考えない。
(チームワークなのに、全部私のせいにされて上司が全然フォローしてくれない・・・)

つまり、部下が主体的に行動できないのは、
部下の上司(自分)に対する<不信感>があるのからではないでしょうか。

■ミスを起こすと、部下はいつも責任から逃げようとする。
(上司の怒り方がすごく怖いから・・・)
■やっていない仕事をやったと、部下が嘘をつく。
(時間が厳しくて、やり切れなかった。けど、上司に言ったら、また偉い怒られるかも・・・)
■新しいことに対する部下の挑戦意欲が低い。
(私に何のメリットがあるのか示してくれなかったし、失敗したら、上司も怒るし、
私のキャリアパスに影響を及ぼすかも・・・)

つまり、部下が主体的に行動できないのは、
上司の叱られることに対する<恐怖感>があるのからではないでしょうか。

■部下はいつも最低限の仕事しかしない。少しでも業務が増えたら、いやな顔になる。
(昇進のルートも示してくれないし、業務量だけ増やして、
どうせ頑張っても、出世なんてできないだろう・・・)
■部下は業績目標に対して、チャレンジしない、達成しようと努力もしない、放りっぱなし。
(そんな高い目標、支援を貰わなければ出来るわけがないし、達成できなければ、
すべての努力が無駄になってしまう・・・)
■部下は上司の指示に従ったが、予想通りの結果が出なかった。
(私の方が専門家なのに、私のやり方を上司は採用してくれなかった・・・)

つまり、部下が主体的に行動できないのは、
上司にいやいや働かされていることで生まれた<拒否感>があるのからではないでしょうか。

上記のように、上司の部下に対する見方、接し方、行動によって、
部下に「不信感」や「恐怖感」、「拒否感」が生まれ、
それが部下のモチベーションの低さにつながっているかもしれません。

ここで
BHCCが皆さんに提起したいのは「マネジャー自身の変革」ということです。

部下ではなく、私がどうすればいいのかを中心に解決策を考え、実行していけば、
部下のモチベーション向上に、新しい花を咲かせることができるかもしれません。

他人を変えることは難しいですが、自分は変わることができます。
自分が変われば、周りも変わっていくという効果もあります。
上司の成長は、部下に必ず影響を与えます。

そこで次号では、
「人を動かすために、私がどうすればいいのか」に関する一冊の本をご紹介させていただきます。

この本は、分かりやすく、実用的な行動リストもあるので参考になります。
さらに、日中英三ヶ国語で出版されており、
自分の現地部下、社員にも薦める価値がある一冊だと思います。

どのような本なのか?
それは、次号を楽しみにお待ちください!

 

★筆者プロフィール★

邵欣欣  BHCC コンサルタント

天津外国語大学卒、神戸大学大学院人間発達環境学研究科修士。専攻分野は「大人の学び」。中国の油圧ショベルのトップメーカー福田雷沃重工股份有限公司の日本法人ロボルジャパン株式会社に入社。その後北京に戻り、BHCCに入社。
現在は、大学院時代の専門知識を活かし、BHCCのコンサルタントとして活躍中。

BHCCコンサルタント 邵欣欣(しょう きんきん)