金子行宏ブログ

中国赴任(人選理由)

みなさんは、なぜ今回の赴任に選ばれたのでしょうか?

海外赴任者を選ぶときの選考基準としてBlackは4つをあげている。

① 語学力や現地文化への精通度

② 専門的・技術的スキル

③ リーダーシップや人間関係構築力

④ 家族要因

 

上記に従った調査がある。

※2008年調査・古沢昌之(赴任経験のある本人に聞き、派遣者本人が選抜に際して各々がどの程度評価・考慮されたと感じているかを5点法で尋ねた(5 大いに評価~1考慮されず)

次の通り、中国に関しては他の地域と比べて、①と③は少し特色がある。

 

 

 

10年以上前の中国を考えるならば、

・新規赴任者の絶対数の増加

・中国語力のある人材の供給不足

なども影響もあるだろう。

いずれにしろ、スコアの高さの順位としては

②→③→①→④である。

しかし、現実的に考えれば、候補者側の現在のモチベーションの状態や現職場の勤務期間の長短、今後のキャリアデザイン(能力開発、昇進時期など)様々な要因があるに違いない。

また、異動候補者リストやプールのあるなしなど内部の仕組みや慣習なども影響しているに違いない。

えいやっと然るべき人が決める属人的な部分も多く存在するだろう。

国内の異動も含めて、ここはか科学されていない領域である。

みなさんは、なぜ今回の赴任に選ばれたのでしょうか?

 

出典:古沢昌之「日本企業の海外派遣者に対する人的資源管理の研究─駐在経験者への調査を踏まえて─」大阪商業大学論集 第6巻 第3 号(通号159 号)

 

中国赴任(ADDINGスコアカード)

以前、「OLI理論」をご紹介した。

海外進出の付加価値を、より多面的に理解するフレームとして有用なのは「ADDING価値スコアカード(ゲマワット)」である。

 

●「海外進出で得られる付加価値」

Adding Value  販売数量、伸率の増加

Decreasing cost コスト削減

Differentiating  差別化、または支払い意欲の向上

Improving industry attractiveness 産業魅力度、または取引交渉力の向上

Normalizing risk リスク標準化、または最適化

Generating knowledge 知識、資源、能力の獲得や活用

をあげている。

 

※ゲマワットの著書『コークの味は国ごとに違うべきか』のP133には、詳しいガイドラインがあるので参照されたい

中国赴任(海外市場進出)

なぜ、海外市場へ企業は進出するのしょうか?

 

その答えとして、国際経営で学ぶ代表的理論がダニング(Dunning)の他国市場に参入を決める3つの要素が有名だ。

 

(1)Ownership-specific advantages 所有の優位

企業が内部に保持する知識や技能、能力、物理的な資産や関係性がもたらす企業の競争優位の程度。

(2)Location-specific advantages 立地の優位

異質性から生ずる負債を払ってでも参入する魅力を保持している国であるかどうか。生産国または消費国としての相対的な優位性があるかどうか。

(3)Internalization advantages 内部化の優位

海外の生産設備、販売網、その他の付加価値創造のプロセスを企業の外部から内部にとり込むことで得られる優位性。

以上、頭文字をとってOLI理論と処される。

しかし、現実的には圧倒的な所有の優位性を持つ(O)企業は限られる。また、良い立地と判断される場所(L)に企業は集結するので競争関係が厳しくなる。また、内部化の優位を獲得する(I)ために時間を要する。

 

本当に国外市場に挑戦すべかどうかは、その便益をしっかり考える必要があるのは言うまでもないだろう。